第62章 カスミソウ
Jun side
潤「ん…っ」
リビングから微かに聞こえる声で目が覚めて時計に手を伸ばそうとすると
潤「ぉわっ…」
隣に陽虎の寝顔があって思わず声が出た
「んぅ~~…」
その声で陽虎がモゾモゾと動いて瞼を開ける
ああそっか…寝かしつけたまま寝ちゃったんだ…
潤「おはよ…」
短い前髪をかきあげてやりながら声をかけると
「じゅんのしゅけっ!おあよっ!」
ぐっと腕を伸ばしてきたから
その躰を抱き上げてリビングに戻った
「あっじゅんのすけ起きたっ!」
リビングでは龍斗がアニメを見ていて
その隣で翔くんは携帯を弄っていた
潤「寝ちゃってごめんな」
ポンポンと龍斗の頭を撫でて
陽虎をその隣に座らせると
「じゅんのすけ!櫻ちゃんがな,やきもちやいてたぞっ!」
突然そんなことを言われて
潤「へ…?」
翔くんを見ると
翔「おいっ」
パシっと翔くんが軽く龍斗を叩く
一瞬なんのことだと思ったけど
すぐにいくつも思い当たることが出てきて
思わず頬が緩んだ
潤「ふふ…龍斗,ちょっと俺櫻ちゃんとお話あるから陽虎とテレビ見ててくれる?」
そう声をかけて
「わかった」と言ったのを確認してから
潤「翔くん来て?」
寝室に翔くんを引っ張った
さっきぎゅっと抱き締めあったのもほんの少しで…
俺だって本当は翔くんともっと触れ合いたい…
リビングから見えない位置を確認してから
潤「ちょっとだけ…」
あったかい胸の中にぎゅっと躰を寄せた