第62章 カスミソウ
Sho side
翔「じゅんのすけは俺が守るっ!!渡さないからな!!」
戦隊ヒーローにかこつけて
思わず本音を叫んでみた
「何をこしゃくなっ!くらえっキングソード・ジュウオウ斬り!!!」
負けじと龍は最新の必殺技で応戦してくる
そっちがその気なら俺だってっ…
翔「甘いっ!!ファルコンブレイクっ!!」
「…なにそれ…だっせー…」
俺が華麗に繰り出した技を
龍は冷たい目で見てくる
古すぎたか…
俺の時代はこれだったんだけどなぁ…
戦隊もので動物っていったら
超獣戦隊ライブマンだろ??
「ライザースピニングスラッシュ」
不意に龍が俺を
どっからか持ってきたベルトでぐるぐる巻きにして
武器の丸めた新聞紙で思いっきり叩いてきた
翔「いってぇっ!!!おまっ…こんなんどっから持ってきた!?」
「ソファのとこに転がってたよんっ」
…はい…転がしといたのは俺です…
翔「くそっ…ならこっちは…隠流・満月十文字斬り!!」
どうだ,参ったか!!
戦隊ものと言えば
忍者戦隊カクレンジャーっしょ!!!
「あーーーっ,櫻ちゃんずりぃっ!!」
翔「ズルくないデス~~」
飛びかかって来た龍を抱き上げた時
「うえ~~~」
虎の情けない鳴き声が聞こえてきた
潤「あーあ…ほらぁ…2人とも…せっかく陽虎が寝てたのに……ごめんね…陽虎…あっちいこっか?」
潤は虎を抱き上げると
寝室に連れて行く
翔「えっ…そっちで寝かすの??」
その背中に思わず声を上げてしまった
潤「だって…翔くんたち煩いんだもん…」
さらっと言われて
2人で寝室に入り
それからなかなか出てこなかった
「ゴリラリアット!!!」
翔「いてぇっ…」
寝室を眺めていた俺に
龍は容赦なく攻めてくる
「櫻ちゃん,虎にやきもちやいてんのか??」
そして確信…
そーだよっ
悪いかっ
翔「…ライオンパンチファイヤーっ」
「だから櫻ちゃん…だっせーよっ」
その後もダサいダサいと言い続けられたけど…
俺の勉強の成果を褒めて欲しいわ…
戦隊シリーズ調べといてよかった…
やっと満足した龍に
潤が用意しておいたオヤツを与えて
そっと寝室を覗くと
潤は虎に添い寝しながら
隣でスヤスヤ眠っていた
可愛い寝顔が二つ
う~~ん…
「めっちゃ可愛いなっ」
龍の言葉に心中複雑だった