第61章 ミラク
Masahiro side
雅「おまえ練習しなくていいの?」
「俺は完璧ですもん」
雅「ホントかよ~?運動神経悪いくせにっ」
「相葉くんより物覚えはいいですからっ」
雅「おまえ,先輩に向かってなに言ってんの??」
おまえこそ…俺の前で何してんの…??
それ以上見てられなくて席を立った
このままじゃ伊野尾をどうにかしてしまいそうだから…
俺って…大人になったよな…
なんて思いながら出演者用のトイレに向かった
雅「松にぃっ」
トイレの入り口に入った所で
後ろからドンと衝撃が走った
昌「おぃ…あぶねーよっ」
思わず低い声で言うと
雅紀はえへっと笑って謝ってきた
雅「どーしたの?元気ない??」
キュッと服を掴まれて顔を覗かれた
雅紀はいつもみたいに
目の端に皺をいっぱいよせて
ニッコリ可愛い笑顔を傾ける
…こいつ…なんもわかってねーな…
昌「ちょっと来い…」
雅「え??え…ぁ…っ」
腕を掴んでトイレの個室に引き摺り込んだ
バンっと大きな音を立ててドアを閉めて
そのドアに雅紀を押し付けた
雅「っ…松に…どーしたの…?」
困ったような怯えたような顔で俺を見る
…こんな顔をさせたいわけじゃねーんだけど…
でもさ…おまえが悪いんだよ…?
心の中でそう唱えて
雅紀の唇を塞いだ
雅「松っ…んんっ…まさ…んぅっ…ま…んー…」
何か言おうとするたびに
舌を絡めて言葉を封じ込めた
追いかけてきたから…
これで許してやるよ…
最後にちゅっと強く舌を吸うと
雅紀からカクンと力が抜けた
それを抱き留めて
伊野尾の感触が消えるように
強く抱きしめた