第58章 ストック
Sho side
数日後…
夕方から次の日の昼までは
なんとか6人分のオフを揃えることができて
俺たちは朝から準備に勤しんだ
潤「翔くん…すごいすごいっ」
俺は潤のリクエストで
朝からカニクリームコロッケと
必死に戦った
潤「翔くん用のエプロン今度買ってこなきゃねっ」
翔「え…いや…いいよー…」
潤「じゃぁ…お揃いで買う?」
潤は俺の料理姿にテンションが高いまま
隣で唐揚げを揚げていた
やっぱり…俺とは比べ物にならないくらい手際が良い…
翔「んー…まぁ…それなら…」
潤「やったぁっ…じゃぁ,今度買ってくるっ」
2人で並んでキッチンに立つなんて
事故以前にはほとんどなくて…
片付けならともかく
俺が料理を作って
邪魔になってないのは奇跡だと思った
これは…俺たちの新しい記憶…
新しい思い出がまた増えた…
ある程度食べ物も完成した頃
ピンポーンと軽快なチャイムが響いた
潤「はーい…あ,ニノっ…どーぞ~」
ニノが皆より早く到着した
潤が玄関で迎えると
そのままキッチンに入って来た
和「お疲れでーす…これ,差し入れ…」
翔「あっ…例のカキフライですねっ」
和「おじさんのリクエストです」
翔「サンキューっ…これ旨いんだよね~」
涼介から教わったもう一つのメニュー
カキフライ…は智くんの大好物で
ニノも一生懸命練習していた
潤がリビングに行ったのを見計らって
ニノが耳に顔を寄せる
和「どぉ…?上手くいきそう?」
翔「…いや…正直…状況は何も変わってないから…わかんない…」
和「そっか…上手くいくといいねっ」
ニノは最後まで嫌がってたのに…
なんだか乗り気…??
和「おじさん…話したら…張り切ってんの…もう…ばかでしょ…あの天然コンビ…」
呆れながらも,その瞳は優しい気がした
翔「…ありがとね…ごめん,巻き込んで…」
和「別に~?可愛い潤くんとやらを…堪能させて頂きますよっ」
翔「おまっ…それはダメだろっ」
揶揄いながらも
気にすんなと言ってもらってるみたいで
その優しさがやっぱり有り難かった