第58章 ストック
Jun side
斗真と笑い合いながら飲んで
久しぶりにそれなりの量のお酒を飲んだからか
だいぶアルコールが回ってきた
斗「で?」
少しふわふわしてきたころ
突然斗真が真っ直ぐに俺を見てきて
潤「ん?」
何が言いたいのかわからずに見返すと
斗「ちゃんとエッチもできるようになったの?」
ストレートに聞かれて
思わず口の中のビールを噴きそうになって
慌てておしぼりで抑えた
潤「おまっ…言い方…っ」
斗「えー?じゃあ“夜の営みは順調ですか”?」
その言い方に噎せている俺を見て
斗真は楽しそうに笑う
潤「はぁっ…できてねーよ…」
咳き込んだせいで目尻に溜まった涙を拭う俺をびっくりしたように見てきた
斗「え?まじで?」
潤「そんな嘘言わねーだろ」
斗「いや…そっかぁ…翔くん…我慢してるんだねぇ…」
しみじみと言う斗真を目の前に
潤「わかってるよ…んなこと…」
テーブルに項垂れると
斗「ま…期間空くと難しいかもな…“抱いて”って言って委ねてみれば?それで無理なら…諦めろっ!」
最後の適当さに思わず
潤「おいっ!軽すぎだろっ」
そう突っ込んだものの…
考えすぎずに委ねてみるのもいいのかな…って思った
斗真が快気祝いとして奢ってくれて
結局お世話になったお礼のつもりが
また助けてもらったな…なんて思いつつ
心はあったかかった