第58章 ストック
Jun side
潤「迷惑かけてごめんね?」
スタッフと大野さんと打ち合わせをして
楽屋に戻りながら謝ると
智「迷惑とか思ってないって相葉ちゃんも言ってただろ?」
柔らかく笑って言ってくれた
そして
ちょっと真剣な瞳に変わって
智「もう大丈夫なの?いろいろと…」
伺うように聞いてくる
その質問に思わず深く息を吐き出すと
智「怖い?」
俺を覗き込むように見てきた
でも…
潤「わかんない…」
そう言って緩く首を振ることしかできない
抱き締めるのは平気になった…
キスはもしかしたら大丈夫かもしれないけど
躰を見せるのは…
きっと思い出してしまう…
そして…
また汚されてしまった躰を見せるのも…怖い…
だからお風呂に一緒に入ることもできなくて…
一緒にお風呂でゆっくりするのが幸せだった記憶はしっかりと戻っているのに…
もう一度ため息をつくと
智「ゆっくりでいいと思うよ…でも一歩踏み出す勇気も大切だよ?翔くんなら…絶対支えてくれるから…大丈夫…」
ポン…と大野さんが俺の肩を叩いて
そのまま楽屋のドアを開けた
雅「あっ,おかえりー!」
それと同時に相葉さんの声が響いた
ニノたちと騒いでたらしい翔くんの隣に座ると
翔「お疲れ様」
いつもと変わらない笑顔を向けてくれる
潤「ありがと…」
俺も笑顔を返しながら
“翔くんなら支えてくれる…大丈夫”
大野さんの言葉が頭の中を回っていた
俺自身が怖いのもあるし…
もし拒否してしまったときに…翔くんの傷つく顔を見るのも…怖い
だけど…やっぱりこのままは嫌だから…
先に進みたいから…
一歩踏み出してみる決心をした