第58章 ストック
Sho side
和「良かったね…」
ニノが俺を背もたれにしながら
ゲームをしながらも
ふわっと笑ったのがわかった
…最近笑い方が智くんに似てきてないか…?
一緒に暮らし始めると似てくるのかもしれない…
俺達もそうだといいんだけど…
雅「で…?」
翔「ん?」
俺の目の前で乗り出すように
瞳を輝かせてるやつがいた
潤が思い出したって言ったら
収録前だってのに泣いて喜んで
急いで目を冷やさせた
雅「もうすっかり元通りなの??」
翔「というと…?」
雅「だーかーらー…その,ね?夜の方も~…?」
雅紀がニヤニヤしながら潤を探すけど
潤は智くんとスタッフに呼ばれて楽屋にはいない
…居なくて良かった…
翔「まだキスもしてねーよ」
和「え??」
声を出して驚いたのはニノだった
翔「そんな驚く?」
雅「だって…思い出したなら…できなくはないよね??」
和「っていうか…翔くんがよく我慢してるな,と思って…」
ニノは心底感心してるけど…何気にバカにされてないか??
翔「…思い出したってことは,事故当時の事も鮮明に覚えてるんだよ…
そう簡単に触れねーよ…」
雅「そっか…翔ちゃん一人で頑張ってるんだね…」
いや…そこじゃなくて…
…頑張ってるけどね…??
和「まだ…怖がるの…?」
翔「んー…わかんね…」
和「試みてもいないんだ…」
翔「俺が怖いのかもね…」
怖がらせてしまうことが…
拒絶されることが…
だったら…このままでいいと思ってしまう…
雅「翔ちゃん…抜くの手伝おうか?」
雅紀が心配そうに俺を覗き込む
翔「はぁ!?よ…余計なお世話だっ…バカっ…やめろっ」
和「せめてトイレでやってね?」
翔「そーじゃなくてっ…ニノっ止めろってっ」
三人で取っ組み合いみたいになった頃,楽屋の扉が開いて
潤と智くんが戻って来た