第58章 ストック
Jun side
翔くんに抱き締められて…
前は怖さしかなかったのに…
今はもう…ほとんど平気だった…
そのまま少しの間お互いの体温を感じて過ごして
ゆっくりと翔くんの運転で家に帰ってきた
潤「翔くん…ただいま…」
家に帰ってきた挨拶だけじゃなく
いろんな意味を込めて言うと
翔「おかえり…潤」
薄らと涙を浮かべながら
翔くんが笑って言ってくれた
コーヒーを煎れてソファに並んで
肩が触れ合う距離で座って…
それだけで嬉しい…けど…
久しぶりに感じれた翔くんの温かさを
もう一度感じたくて…
潤「手…繋ぎたい…」
そう言うと
ゆっくりと指を絡めて手を繋いでくれた
その手をぎゅっと握って
潤「もう一回…ぎゅってして…」
翔くんの瞳を見ると
目尻の涙を拭ってから
翔「おいで…?」
両腕を広げてくれたから
それが翔くんだとちゃんとわかるように
腕の中に入る直前まで
しっかり視線を絡めて
翔くんの背中に腕を回した
そのまま首元に顔を乗せると
潤「あったかいね…ふふ…翔くんのにおいがする…」
温もりと
大好きな香りに包まれて
自然と躰から力が抜けていた
背中にあった翔くんの手が
髪の毛をふわふわと撫でてくれて…
幸せで…心地よくて…嬉しくて…
止まらない涙で翔くんの肩が濡れた