第58章 ストック

Jun side

潤「ニノ…ありがと…」

みんなが仕事に行って
静かになった部屋で言うと

和「俺たちがしたくてしてるんだから…いいんですよ…ほら,ツアーの話するんでしょ?」

翔くんたちがテーブルに置いていったコップを
キッチンに下げながらニノが笑った


翔くんと二人でいるのは今はできないけど…

翔くんにホテル暮らしなんてしてほしくないし…

少しでもみんなで話して…笑い合えるなら…

だって翔くんが嫌いなわけじゃなくて…

大切なメンバーであることに変わりはないから…

だからニノたちがいてくれるのは…心強かった


午前中はツアーの話をして

午後はニノのゲームに付き合って

のんびり過ごしていると

智「ただいまー」

大野さんが帰ってきた

それに続いて

翔「ただいま…」

翔くんの声も聞こえて

二人がリビングに入ってきた

和「おかえりなさーい」

潤「おかえり…」

ソファから振り返ると
こっちを見ていたのか…

翔くんと視線が絡んで

潤「…っ」

慌てて視線を逸らしてしまった

今日一日
ニノと目を合わすこともできなくて…

その度ニノも悲しそうな…複雑そうな顔をしていた…

ニノも…翔くんも…

俺にとって大切な人たちを
俺は傷つけることしかできない…

溢れそうになる涙を隠したくて
ソファの上で抱えた膝に顔を埋めた