第58章 ストック
Sho side
朝から俺達の家に嵐が大集合した
雅紀はロケに出る前に
荷物を置きに寄ってくれた
智くんもニノに頼まれた荷物を持って
仕事の前に来てくれた
…みんなぎこちない俺と潤を前に
できるだけ普通に接してくれる
これからどうしよう…と
行き詰っていた俺に
スッと新鮮な空気が入ってきた気がした
雅「あっ…マネージャー来たっぽいっ!!俺,行くね~~!!」
雅紀は風のように駆け抜けて出て行った
和「翔くんも大野さんも…そろそろでしょ?今日は俺と潤くんはオフだから,ゲームでもしてますよ」
潤「ライブの話しようよ…」
和「…なんのことでしょう?」
潤「昨日スタッフと詰め切れなかったところあるから,ニノ付き合ってよ…」
和「…真面目でストイックなMJは健在なようだね…」
ニノと潤の会話はなんの違和感もないくらい自然だった
忘れてしまったことを忘れるくらい…
きっと潤も楽なんだと思う…
翔「じゃぁ…行ってくる…」
智「おいらも,翔くんの送迎にのせてもらうから~」
和「行ってらっしゃい…頑張って」
潤「…行ってらっしゃい…」
大丈夫…
大丈夫…
また,心の中で何度も言い聞かせた
智「大丈夫だよ…」
心の中の声と
耳に響いた智くんの優しい声が
ぴったりと和音で重なった
智くんがそう言うと
本当に大丈夫な気がしてくる…
なんの根拠もないのに
安心感に包まれる
翔「…ありがと…」
嵐で良かった…
もう何度そう思っただろう…
結成時はどこよりもちぐはぐだったグループなのに
今では俺の一部になってる
皆が居るから
俺は立ってられるんだ…
心からそう思った