第58章 ストック
Sho side
『松本さん,打ち合わせでいつも通りスタッフと一緒に話をしてますよ』
仕事の合間に
潤のマネージャーに連絡すると
思いのほか明るい声が聞こえてきた
『普通に仕事してます…覚えてないこともあるみたいですけど、説明してもらえればだいたいわかるみたいで…』
やっぱり思った通り…
仕事の事に関しては
感覚的に覚えてたり
思い出しやすいのかもしれない…
翔「わかった…引き続き…体調だけは気を付けてやって…夜,迎えに行くから…」
『わかりました…櫻井さんも無理しないでくださいね…』
電話を切ってすぐ
メンバーに状況を連絡した
雅“良かった!翔ちゃん,大丈夫だよ!!すぐ思い出すよ!!”
和“今日事務所行く用事あるから…俺も様子見にいくね…無理しないでくださいね”
智“翔くんは昨日ちゃんと寝た?仕事頑張ってね”
すぐに返信が来た
みんなの気持ちが嬉しい
何よりも心強い…
胸元の2本のネックレスをしっかり握って存在を確かめた
潤はいなくなってない…
だから大丈夫
焦るな…と言い聞かせて
また唇を噛み締めた
「櫻井さん,お願いします」
報道のスタッフから声を掛けられた
今は自分の仕事に集中しないと…
皆も…潤も頑張ってるから…
翔「はい…宜しくお願いします」
一度深く深呼吸をして
スタッフに続いて報道局に入った