第58章 ストック
Sho side
翔「なんで早く言わねーんだよっ…」
車の中,マネージャーに向かって思わず声を荒げた
「…ごめん…言っても…早く帰れるわけじゃなかったから…」
翔「そーだけどっ…くそっ…早く出してっっ…」
「うん…」
車はきゅるきゅるとタイヤの音を響かせて空港の駐車場を出た
飛行機の中でのうのうと寝ていた自分に腹が立つ…
リオの空港でのんきにお土産を選んでた自分が嫌になる…
和『あれ…そっか…まだ聞いてないんだ…』
ニノの声が耳に残る
俺だけ…何も知らずにのんきに…
ドンっ…と拳を窓ガラスに叩きつけた
「櫻井くん…松本くん…大丈夫だから…命に別状はないって…」
翔「当たり前だろっ…」
何かあってたまるか…
潤っ…
和『落ち着いて聞いてね…潤くんがちょっと怪我をして…病院に居るんだ…』
翔「なんで?怪我!?…病院って…ヒドイ怪我なの?」
和『大丈夫…怪我はそんなにひどくないよ…でも…来れる?病院…』
翔「うん…すぐ行く…病院の場所…」
和『事務所から一昨日,マネージャーには話してあるはずだけど…』
翔「一昨日!?」
そんなに長い間…
俺は何も知らずにいた…
その間…潤はずっと一人で病院にいたのか…?
唇を噛み締めすぎて
鉄の味がした
潤…早く…会いたい…