第58章 ストック
Sho side
長い長いフライトを終えて
ようやく飛行機が地上に降り立った
えーっと…今日は何日の何時だ…??
飛行機の現地時間を参考に
腕時計をセットする
機内アナウンスを聞いて
携帯の機内モードも解除した
その瞬間,携帯がいきなり振動し始めた
翔「ぉわっ…びっくりした…」
タイミングよく電話を掛けてきた主…
ディスプレイは
“二宮和也”
翔「まだ…通話できねーよ…」
一度電話を切ってから
“ごめん,まだ機内なんだ どーした?”
すぐにメッセージを打ち込んだ
“降りたらすぐ電話して”
ほんの数秒でそんな返信がくる
なんだろう…
胸元の薄い痣がちくんと痛んだ
「櫻井くん…あのさ…これからの予定なんだけど…」
後ろの席のマネージャーが遠慮がちに耳打ちしてくる
翔「ん?明日,昼から…じゃないの??」
「うん,そーなんだけど…この後,行くところがあって…」
翔「え…この後すぐ…?一回帰らないの…?」
帰ってきたら真っ先に潤に会う…
そう約束したのに…
まぁ…仕事なら仕方ないけど…
「降りたら説明する…」
歯切れの悪いマネージャーの後に続いて飛行機を降りて
預け荷物を受け取るまでの間に
俺はニノに電話を掛けた