第1章 ベコニア
Jun side
それからも誰とエッチしたい,とか
彼女のいない男の呑んでる時の会話なんて
そんなもんなんだけど
でも俺にとっては今1番避けたい話題達で
何を聞かれても曖昧に笑うしかできない
だって抱きたい女の子なんていない
頭の中にあるのは翔くんの姿だけ
もし,俺がこの想いを目の前の親友達に
打ち明けたら引かれるのかな
潤「ねえ,じゃあ男は?
コイツなら抱いてみたい,とか
この人なら抱かれてみたい,とかある?」
話せる訳もない,と思ってたのに
ふと気になって口に出した質問に
一瞬キョトンとした顔をしてから
「「…っふ,ははっ…」」
2人揃って吹き出した
「お前急にどうしたの笑」
「いやー,偏見はないよ?
ないけど…俺は無理かなあ」
潤「や,そうだよね
やっぱ無理だよね笑」
笑って流して
でもその反応にピッチの早かった
アルコールがどんどん進む
「お前大丈夫か?」
気付いたら完璧酔いが回っていて
上手く思考が働かない
「ほら,帰るよ」
でも唯一しっかり頭にあること
翔くんにどうしようもなく逢いたい
潤「ねーしょおくん呼んで」
「何言ってんの。こんな時間に迷惑だって」
よくわかんないけど多分もう遅い時間
潤「大丈夫ー。だから呼んでよ」
我が儘言ってる自覚もあんまりないまま
2人を困らせて
ため息を吐いて翔くんに電話をかける
斗真の姿が視界に映った