第56章 アセビ
Jun side
潤「あんま見ないでよ…」
至近距離で目の前に立たされて
翔くんの視線が突き刺さる…
こんな格好してるからか
その視線で躰が熱くなりそう…
短いスカートの裾をぎゅっと握って言うと
翔「メイドさんはご主人様にタメ口なんか使っちゃだめだろ?」
顎を指先で掴まれて言われて…
潤「っ…あんまり…見ないでください…」
顔が余計に熱くなった
翔くんの視線から逃れるように
視線を動かした先…時計が見えて…
潤「ご,ご主人様っ…お夕食の支度を致しますね…」
夕飯時の時間を確認してキッチンに逃げた
ご飯なら得意分野っ…
とりあえずコーヒーを煎れて…
潤「食前にコーヒーです…どうぞ…」
ソファ前のローテーブルに置くと
潤「わっ…」
腕を引っ張られて
翔くんの膝の上に座らされた
翔「ありがとう♡メイドさんが飲ませて…?」
腰を抱えるようにされて
逃げ場がなくて…
翔くんの膝が
スカートの下の太ももに直接当たる…
潤「メイドに手を出さないでくださいと…」
くすぐったくてもぞもぞと動きながら言うと
翔「コーヒー飲ませて?ってお願いだよ?」
にっこりと笑って言われた……
言い返すことができなくて
後ろを振り向いてコーヒーを口に含んで
少し腰を持ち上げて触れないようにしてから
翔くんの頬を包んで口の中にコーヒーを流し込んだ