第56章 アセビ
Jun side
何があるのか大した確認もしないまま
潤「絶対覗かないでねっ」
箱の中身を抱えて脱衣所に篭った
鍵をかけて
手の中の服を広げて…
潤「…うそだろ…」
紺地に白いフリルのついたメイドのワンピース
同じく白いフリルのカチューシャ
黒いガーターベルトにお揃いのニーハイ
薄いピンクの女性用のようなカタチの小さな下着
黒髪ウェーブのウィッグ…
メイド服とガーターベルトは知ってたけど…
まさか下着までなんて思わなくて
鏡に映る俺の顔は真っ赤だった…
でも着ないなんて選択肢はない
約束だからもそうだけど
ここで拒否したら更に負けな気がする…
潤「はぁ…」
深く息を吐いてから
まずワンピースを手に取った
潤「なにこれ…どーやんの…」
背中のファスナーにも
ガーターベルトにも苦戦しながら
なんとか全部身につけると
潤「これは……まずいだろ…」
スカートが短くて…
屈んだら下着が見えそう…
そのとき
翔「じゅーん?まだぁ?」
ドアの向こうから声がして
潤「もうすぐっ…」
慌てて返事をした
潤「よし…っ」
小さく気合いをいれてから
ドアを開けて
潤「お待たせ致しました…御主人様……」
翔くんに向けた声は恥ずかしくて小さくなった