第54章 ラケナリア
Sho side
「翔さん,すごいっ…」
翔「ホント…?…大丈夫…?潤,喜ぶかな…?」
自分なりに上手くできたとは思うけど…
これを一人でやる…と思うと…
やっぱり緊張する
和「ん,こんな姿の翔くん見たら…潤くん…メロメロになっちゃうね」
2人がそう言ってくれたから
ようやく安心することができた
「あとは本番,リラックスして頑張ってくださいね」
和「息とめちゃダメだよ?ちゃんと五感を使ってね?」
アドバイスもしっかり心に止めた
和「じゃ,これにて涼介講座終了ですね」
翔「ありがとうございました」
「あ~…なんか寂しくなっちゃうな~…また来てくださいね!!他にも色々教えますからっ!!」
すっかり涼介とも仲良くなって
可愛い弟がまた一人できたみたいだった
飯を食い終わって後片付けをしていると
電話が振動した
斗『あ,翔くん??今大丈夫~?』
斗真の明るい声が聞こえて
電話の向こうも何やら盛り上がっていた
斗『今…岡田くんの家に居るんだけど…なんだか潤が荒れててさ~』
潤『別に荒れてねーよっ…今日は岡田くんとこ泊まるーっ』
呆れ気味の斗真の声の向こうから
明らかに酔っぱらった潤の声が響いた
泊まるって…オイ…
斗『そんなわけだから…迎えに来てくれる??』
翔「あぁ…わかった…」
思わず返事が低い声になった
潤『やだっ…俺帰んないよっ…岡田くんと寝るもん』
健『あー,ダメだよっ…この膝は俺のなのっ!!こら抱き着くな~っ』
なんで健くんと一緒に岡田くんを取り合ってんだよ…
斗『翔く~ん…早くきてね…?』
ちょっと情けない斗真の声に
また低く「わかった」とだけ返した
翔「ごめん,俺帰るわ…」
和「なんかあったの…?」
翔「潤…迎えに行ってくる…」
涼介とニノにお礼を言って
急いで車に向かった
和「喧嘩しちゃだめですよ?」
ニノに言われたけど…
自信ない…
なんだよ…寝るって…
だいたいこの間から
岡田くん岡田くんって
今までそんな仲良くなかったはずなのに…
もやもやした気持ちを抱えながら
高級住宅街に車を乗り入れた