第54章 ラケナリア
Sho side
[2人だけでいくの?終わったら迎えに行くから,場所教えて]
潤が楽屋を出るときに
思わず送ったメールにも返信はなくて
この日はずっと
潤の肩に回された逞しい腕が
頭から離れなかった
翔「あっ…」
「翔さん大丈夫ですか!?」
当然,涼介の家でも
集中なんてできるわけなくて
和「…あれしきのことで…」
ニノに呆れられた
涼介の家を出た後も
潤からの返信はなかった
和「あと少しなんだから…喧嘩とかしないでくださいね?」
車から降りるとき,ニノにくぎをさされた
わかってる…
俺だって喧嘩したいわけじゃない…
家は誰も居なくて真っ暗で
潤が帰ってくるまでは
なんとなく落ち着かなかった
てっぺんを超えて
ようやく玄関の扉が開いた
潤『ただいまぁ』
明らかに酔ってる
潤の明るい声が聞こえて
俺は仕事の手を止めて
玄関に迎えにいった
「ほら,しっかりしろって…」
出迎えると,そこに岡田くんもいた
翔「え…」
「あ,櫻井っ…ちょっと松本~…こいつ酒癖悪いなっ」
頬を染めた潤がニコニコしながら
岡田くんにしがみ付いて
潤「岡田くん,もういっぱい飲みましょ?帰っちゃだめですよ~」
腕を絡めて岡田くんを家にあげようとしていた
翔「潤っ…ほら,ちゃんと立って…」
岡田くんから潤を引き離そうとするけど
潤はなかなか離れない
潤「あ…しょーくんだ…今日はいるんだね~」
なんとなくひっかかる言い方…
「ホントに2人で住んでるんだな」
岡田くんが笑いながら
潤を俺に渡してくれた
潤の靴を脱がせて
岡田くんにもあがってもらおうとすると
「今日はいいよ,また今度招待して」
ニッと笑って
爽やかに帰って行った
うちの先輩たちは…
そろいもそろってかっこよすぎる…
これじゃ潤が好きになったって
不思議じゃない…よな…
なんて小さな不安を抱えつつ
ふらふらしてる潤を
なんとかソファに座らせた