第54章 ラケナリア
Jun side
岡田くんがずっと俺の肩に手を回しているからか
翔くんからの視線を感じるけど…
気づかないフリをした
翔くんだって山田とくっついてるんだから…
俺に内緒で一緒にいるんだから…
「松本もう帰れんの?」
意識的に翔くんから視線を離していると
岡田くんに声をかけられて顔をあげた
潤「今日は終わりなんでいつでも行けますよっ」
そう言って笑いかけて
二人で楽屋を出ようとすると
携帯がポケットの中で振動した
確認してないけど…相手は多分翔くんだから見ない
潤「じゃあお先に!お疲れ様ー」
楽屋を出るときにちらっと視界の端に翔くんを見ると
翔くんも俺を見ていたけど
すぐに視線を逸らして岡田くんの背中を追いかけた
「「かんぱーい」」
岡田くんの行きつけらしい店に連れてきてもらって
グラスを合わせた
それを一気に流し込むと
「いい飲みっぷりだね~」
言いながらじっと見つめられる
潤「ほんと悩みとかないですから岡田くんも飲みましょうよーっ」
その顔に笑いかけると
ふっと岡田くんも笑って
グラスを一気に空にした
あまり飲んだりしたことのない先輩だから
こういう機会が楽しくて
いつの間にか二人でどんどんグラスを空けて
店を出たときには
ふわふわと心地いいくらいに酔っていた