第54章 ラケナリア
Jun side
潤「はぁ…っ」
楽屋に戻って来る最中に見た光景に
思わずため息を吐きながらイスに座ると
雅「松潤どうかした?」
近くにいた相葉さんが俺を伺うように見てきた
潤「あ…なんでもない…」
そう言って
でもまた無意識にため息が漏れる
「お疲れーっ」
突然楽屋のドアが開いて
岡田くんが入ってきた
智「あれ岡田っちどうしたの?」
「あ,いたいた…大野,この間の話なんだけど…」
大野さんが岡田くんに習ってるものの話をしているのを
流すように聞きながら
頭の中ではさっき聞いてしまった
翔くんと涼介の会話がぐるぐるとしていた
そういうコトを練習しているかのようにも聞こえる会話…
違うとは思っていても
翔くんを信じていても
潤「なんなんだよ…もう…」
わざわざ物陰で…あんな風にくっついて話して…
もやもやするのは抑えられない
落としてた視線をあげて
翔くんは今日も“友達と約束”があるって言ってたから
待たずに帰ろうとすると
「何怖い顔してんの?」
目の前にいつの間にか岡田くんがいて
潤「ぅあっ」
躰がビクッと跳ねた
失礼だろーなんて言われながら
岡田くんの手が伸びてきて
隣に座りながら
肩を組むように腕を回された
潤「ちょ…っ」
ふと楽屋に戻ってきていた翔くんの視線を感じて
手を外そうとしたけど
「さっきからため息ついてなんか悩み事か?」
もやもやしたままだから…
先輩の心配してくれる声に
大丈夫です,なんでもないですと返しながら
半分当てつけのようにその手をそのままにした