第54章 ラケナリア
Sho side
「翔さん飲まないんですか?」
涼介が勧める酒を
やんわり断って
潤のメールに返信した
和「潤くん鋭いからな~…うちのは大丈夫だろうけど」
ニノは今日は智くんが深夜まで撮影だから…と涼介と一緒に呑んでいた
翔「いや,智くんだって何気に見てるからな?気を付けろよ?」
忠告するものの
人の心配をしてる場合じゃなくて
ホントに気を付けないと…まずい…
「いいなぁ…」
涼介が俺達を見ながら
ほろ酔いで呟いた
「先輩たちカッコイイし…幸せそうだし…羨ましいなぁ…」
翔「なんだよ,まだ若いんだから…頑張れよっ」
和「そうそ,我々だってね…やっと最近落ち着いたとこだよ」
ニノと顔を見合わせて笑った
俺達が涼介くらいの頃は
とにかく必死だった…
「もぉ~~…俺どーしたらいーんすかっ」
酒が回ったのか,涼介が半泣きで
俺に抱き着いて来た
翔「こら,絡むなっ」
和「あーもー…落ち着きなさいよ,おじさんたちが聞いてあげるから…」
涼介に色々教えてもらう代わりに
俺達が涼介の悩みを聞く…
これが最近の過ごし方になっていた
涼介の話を聞いてると
俺もそんなことあったな…と
昔の事を思い出して
ちょっと嬉しくなる自分もいた
潤との昔の事を色々思い出せるから…
「翔さ~ん,だっこ…」
翔「ばか…こら…っ」
酔いつぶれた涼介が
完全に俺の上で脱力した
和「そろそろ帰るよ?」
翔「まてまて…助けて,ニノ」
和「俺腰痛いから無理無理っ」
ニノが放棄するから
仕方なく涼介をベッドに運んだ
翔「じゃぁな?俺たち帰るよ?」
「む~…また来てくださいね~?」
和「あーあ…懐かれちゃった」
翔「またお願いしますよ,先生っ」
涼介に布団をかぶせて
急いで家を出た
早く帰るって言いながら
もう0時を超えるくらいの時間だった