第54章 ラケナリア
Sho side
智くんが楽屋を出たことを確認して
先にニノが楽屋を出たけど
潤は…なかなか帰り支度が進んでいなかった
翔「潤…?どーかした?」
誰も居なくなったのを見計らって
潤に声をかけるけど
いまいち反応が薄い
翔「頭痛い…?」
最近,そーゆーのが多いから
心配して聞いても
潤「別に…大丈夫だよ…」
そっけない返事しか来なかった
それどころか
潤「約束があるんでしょ?行かなくていいの?」
また座り込んで携帯を弄り始めた
ホントは潤が楽屋を出るまで待つつもりだったけど
さすがに二人を待たすわけにもいかない
翔「ごめんな?なるべく早く帰るから…あ,でも明日早いんだよな?先に寝てていいからね…」
それだけ伝えて
潤の額にちゅっと口づけて
楽屋を後にした
メールで指定された駐車場の隅に
涼介が乗った車があって…
まだまだ子供のイメージだったから
運転席に乗ってることが不思議で
思わず笑った
翔「なんか変なの…」
「なんですか~…あ、前どーぞ?」
翔「やだよ,後ろがいい」
「お願いします,怖いから助手席のってくださいっ」
翔「俺が怖いわっ…」
後部座席にはしっかりシートベルトを締めたニノがいた
和「翔くん…骨は拾いますから」
翔「マジで,頼むよ?安全運転!!」
「がんばりますっ」
気合十分の涼介の運転で
翔「ちょ,ゆっくり踏め,ゆっくり!!」
ぐぉっんとエンジンをふかして
車が出発した