第54章 ラケナリア
Jun side
ベッドの中で布団に包まっていても
微かに聞こえてくる翔くんの声…
“涼介”
“山田涼介…できるやつだね”
聞きたくない言葉から逃げるように
布団の中で目を瞑ると
最近の忙しさの疲れからかすぐに夢の中に落ちた
夢の中では
温かい大好きな温もりに包まれているような気がした
「お疲れ様でしたっ!」
Hey!Say!JUMPと一緒になった
音楽番組の生放送のあと
楽屋に挨拶にきた後輩達
雅「おーお疲れーっ」
智「おつかれさまー」
楽屋のいろんなところからあがる声を聞きながら
視界の端に明るい茶髪が映った
後輩に嫉妬するなんて…
疑うなんてどうかしてると思いつつも
どうしても今は山田を見ていたくなくて
潤「お疲れー」
後輩に言葉を返しながら
[翔くん,これで終わりだよね?帰ろう?]
翔くんにメールを送ると
翔「伊野尾,お前なんでこの間のしやがれ来ないんだよー」
「いや違いますって!俺だって行きたかったですよ!」
後輩と話していた翔くんからすぐにメールが返ってきた
急いで携帯を見ると
[ごめん,今日は約束があって…なるべく早く帰るから]
その返信に
楽屋の隅でニノと喋っている山田が
翔くんを待っているのかと勝手に想像して
またもやもやが膨らんだ