第54章 ラケナリア
Sho side
謝りたくても…
謝ってほしいわけじゃないって言われたし…
けど,やっぱり嫌な思いをさせているのは俺なわけで…
いっそ全部話したら…なんて思うけど…
「バレないでよ?」というニノの言葉が
頭の中をくるくる回った
俺,こんなに嘘,下手だったかなぁ…
潤の前だと,いまいち調子が出ない…
翔「じゅん…頭痛いなら…ベッドいく?」
紙を撫でながら聞くと小さく頷いたから
潤を抱えて寝室へ向かった
翔「ちょっと痩せた…?」
ベッドに躰を降ろしながら覗くと
そぉ?と首を傾げて布団に包まった
俺もその隣へ滑り込んで
潤の頭を腕にのせる
翔「潤,頑張ってるもんな…でも,無理すんなよ…?」
髪を撫でると
潤が俺の胸に顔を埋めて
ぎゅっと抱き着いて来た
潤「…今日さ…」
小さな声が胸の中で聞こえた
その声を聞き取ろうと耳を澄ませた時
リビングで携帯が鳴った
翔「あ…」
潤「いいよ…」
スッと潤が離れて行く
翔「ごめん」
急いで携帯を見るとマネージャーだった
『頼まれていた3人分のスケジュール…ざっとまとまったので、送りますね』
翔「え…あ,ありがとう…涼介も?」
『はい,山田くんから話しいってたみたいで…すんなりもらいましたよ』
翔「さすが山田涼介…できるやつだね…じゃぁ…よろしく」
電話を切ってしばらくすると
すぐにスケジュールが送られてきた
保存だけして寝室に戻ると
もう潤は寝ていて
起こさないようにそっと隣に潜って
潤の躰を抱き寄せて眠った