第54章 ラケナリア
Sho side
潤「ねぇ…これ,なに?」
声に振り向くと
涼介がくれたお土産を潤は怪訝そうに見ている
翔「さっき貰ったの,一緒に食べよ?」
ふーんと言いながらキッチンにもっていったのを見て
潤が用意をしてくれてる間に
ざっとシャワーを浴びることにした
はじめての事に挑戦すると
疲れるけど,気分がいい…
今日したことをなんとなく思い返しながら
鼻唄交じりで躰を洗って
潤の待つリビングに戻った
翔「あれ?潤…?」
潤はまだキッチンにいた
箱に入ったカップケーキを前に
カウンター越しに俺を少し睨んでいた
翔「どした…?」
キッチンに入って後ろから抱きしめて
潤の顔を覗こうとすると
潤「これ…手作りでしょ?」
低めの声がキッチンに落ちた
翔「あぁ…そーかな…?」
中を確認してなかったけど
涼介が冷蔵庫から出してきたから…
そうなのかな…?
潤「…なんで手作り貰って来てんの?」
あ…
潤「手作りはダメじゃなかったっけ?」
嵐になってから
特に売れてきてからは
変な期待を持たせたり
噂になったり…
変なモノが入ってると困るから…と
手作りの物は極力受け取らないことにしていた
でも,後輩だから…と
そんなことすっかり抜け落ちていて
…ヤバイ…
翔「友達だったから…なんか断るのも…さ…」
潤「友達ならなおさら,勘違いするようなことっ…」
翔「いや,それはっ………うん…ごめん…」
何か言い返そうかと思って遮ったけど
これ以上聞かれるのもまずいから
素直に謝った
けど,潤は何も言わずに
むくれた顔をしてカップケーキを睨んでいた
翔「じゅん…?ごめん…な?怒んないで…?」
潤「別に…謝ってほしいわけじゃないもん…」
もん…って…可愛いな…
この期に及んで
そんなノー天気なことを考えていた