第53章 ダイヤモンド
Satoshi side
受け取ってくれてよかった…
キレイに指輪が嵌ってよかった…
そんな安心と幸せに満たされながら
ぎゅっとカズを抱き締めていると
少しずつ俺の肩が濡れてくる
それを少し躰を離して
また手のひらで優しく拭う
カズの瞳から溢れる涙も
全てが愛しくて自然と頬が緩むと
カズに不満そうな視線を向けられた
智「ごめん…嬉しくて」
そう言って微笑いかけると
和「泣かせてんの智じゃん…」
益々不満そうに言う
智「泣くほど喜んでくれて嬉しいよ…」
今ならどんな言葉も照れるけど…言える気がした
和「…バカ」
真っ赤になりながら文句を言うから
その頬を片手で包んで
優しく唇を重ねた
和「んっ…ん…ん…っ」
唇を離してもう一度カズを見つめ直すと
それに気づいたカズからも視線が返ってきた
…ここで言いたいことがもう一つある…
智「かず…」
呼びかけると
和「…なに?」
俺の口調につられてか
カズの顔もまだ涙の痕は残るけど真剣になった
智「さっきも言ったとおり…俺はカズとずっと一緒にいたいから…少しでも多くの時間をカズと過ごしたいから…一緒に暮らそう…?」
言い終わるとまたカズの瞳から涙が一筋流れた