第51章 カーフ
Masahiro side
得意げにエプロンを付けて
肉とにらめっこしている雅紀を眺めながら
ふぅ…と小さく息を吐いた
手ごわい…
まぁ…わかってはいたけど…
雅紀とそういう雰囲気になるのは
難しい…
免疫がないから…怖いのか
俺にそんなことされるのは嫌なのか
わいわいはしゃいでるときはいいけど
いざ良いムードに持っていこうとすると
ことごとく…惨敗
焦るつもりもないけど
俺も…そんな気の長い方ではないんだけどな…
雅「……にぃ?まーつにぃ?」
気づいたら目の前で
雅紀が手を振っていた
雅「どしたの?大丈夫?」
心配そうに俺を覗き込む
昌「あぁ…」
可愛い顔が目の前でコロコロ動く
どうやってお前を襲ってやろうか考えてた…
って言ったら…お前はどんな反応するかなぁ…
雅「生姜はどーすればいいの??あり?キャベツも一緒に炒めるの?」
昌「バカ,キャベツは付け合わせだよ,千切り」
雅「あっ!!俺やるっ!!千切りっ」
昌「解ったから包丁振り回すなっ」
振り回す右手を掴んで
はしゃぐ雅紀を自分の躰で抑え込んだ
雅「あっ…」
また後ろから抱きしめる形になって
さっきのを思い出した雅紀の躰が固まった
昌「怪我だけはするなよ?商売道具なんだから…」
わざと耳元で息を吹き替えるように囁いて
最後に耳の後ろを
水音を立てて舐めあげた
雅「やっ…」
またビクッと躰を跳ねさせて
蹲るように身を固めた
昌「ちゃんと見てるから…ゆっくりやってみな?」
少し躰を離して優しく言うと
潤んだ瞳で俺を見上げた