第51章 カーフ
Masahiro side
雅「松にぃの匂いがする…」
そんな言葉を残して…
昌「雅紀?」
そう名前を呼んだ時には気持ちよさそうに寝息をたてていた
昌「…やっぱりな…」
肩にかかった重みを感じながら
思わず独り言を呟いた
すやすやを絵にかいたような
安心した寝顔
…こうも緊張されないと…
ホントに俺のコト好きなのか…?
と思ったりもするけど…
雅紀がこういう性格だってのは
よく知ってるし…
人懐っこいけど
実は警戒心も強い奴だから
やっぱり俺に気を許してくれてるのは嬉しい…
完全に寝入っている雅紀を抱き上げて
寝室に向かった
昌「…軽っ…」
抱き上げた感触が
そこら辺の女子より全然軽くて…
細い体をギュッと抱きしめた
一人暮らしをはじめて
でも寂しくなると
実家に帰ったり
俺の家に来たりしてたけど…
本当に辛いとき
雅紀はいつも一人で
何も言わないから…
俺が守ってやる…
いっぱい飯,食わしてやる…
抱きしめながら
そんなことを誓った
ベッドに寝かすと
俺もつられるように横になった
ちゅっ…とリップ音をたてて
キスを落とす
恋人に…なった…のか…?
いまいち実感が持てないまま
それでも今までとは少し違う気持ちで
目の前の可愛い寝顔を見下ろした