第51章 カーフ
Masahiro side
なんの悪気もなく胸の中から俺を見上げる雅紀
雅「二人でいたい…松にいの家遊びに行っていい?」
上目使い…やめろ…
昌「おまえな…」
言いかけて,やめた
たぶん雅紀はそんなつもりないから
雅「ん?なに??」
案の定,首を傾げて
さらに笑顔になる
はぁ…
昌「ま…いーや…じゃ…実家連絡しとけよ?」
雅「もう子供じゃないしっ…一人暮らししてるんだからいいよ~」
昌「頻繁に帰ってるの誰だよ…」
雅「だって~…」
言いながらしっかり親にメールしてる
まだガキのくせに
子ども扱いされるのは嫌いなんだよな…
そんな雅紀を横目に見ながら
車のエンジンをかけた
もう何度も俺の家には来てるけど…
やっぱり少し,いつもとは違う気がした
雅「お邪魔しますっ」
いつものように
俺の後に続いて部屋に入ってくる
雅紀は…ホントに
なんも考えてないな…
いつもと変わらない…
昌「なんか飲むか?酒?」
リビングに入って荷物を置きながら聞くと
雅「飲む飲むっ!!」
顔を輝かせた
…強くないくせに…
雅「何がある…?ビールじゃないのある?」
冷蔵庫を開ける俺の横から
背中に手を置いて中を覗き込んでくる
…ったく…
不用意に近づいた罰として
振り向いてその唇を塞いだ