第49章 カカオフィズ
Toma side
斗「ん…んっ…っ」
健くんの唇が俺の唇に重なって
唇が濡れた舌でぺろりと舐められる
長いこと悩んで…
健くんには好きな人がいるから叶わないと思っていた気持ちが実って…
そんな状態でこれ以上キスをしていたら
我慢できなくなりそうで
肩をぐっと押して躰を離した
健「斗真,好きだよ…」
至近距離で上目遣いで言われて
斗「俺も…好きですよ…」
そう言うと少し赤い頬でにこっと笑った
年上なのにこの可愛さはほんとにずるいと思う…
せっかく離れたのに
やっぱり我慢できなくて
もう一度軽く唇を合わせてから
今度こそしっかり座り直して
少し温くなったビールを流し込んだ
食事をつまみながら飲んでいる間
ずっと健くんは俺の隣にいてくれて
しかも肩が時折触れ合う距離…
だからその度に心臓がうるさくなって
店を出る頃には
俺も健くんもほろ酔いだった
一緒にタクシーに乗って
運転手に俺の家の住所を告げると
健くんから淋しそうな視線を感じた
その肩を引き寄せるように腕を回して
斗「先輩…俺ん家まで送ってくださいよー…」
わざとそう言ってから
運転手に見えない位置で
頬に唇を寄せた