第49章 カカオフィズ
Ken side
斗「坂本くんは…?好きじゃないんですか…?」
斗真が不安げな表情で聞いてくる
そりゃそうだよね…
今までライバルだったんだから
健「俺ね,2回…坂本くんに告白したの」
斗「え?」
健「抜け駆けしたんだよ…1回目はもうずっと昔…2回目はこの前の打ち上げの2次会…」
驚いてる斗真に,ポツポツ説明する自分は…なんだか冷静だった
坂本くんに「しっかりしろよ」って言われたからかな…
健「1回目は…見込みがないんだってひたすらショックで…でも諦ないっ!って意地になってたけど……2回目は…」
斗「…2回目は…?」
健「なんかね,まず告白自体が過去形だったんだよね」
思い返したら…そうだった…
「好き」じゃなくて「好きだったよ」って伝えてた
健「同じ返事だったのに全然辛くなくて…むしろすっきりしちゃったの…だって…俺がその時考えたかったのは斗真の事だから…」
斗「俺のこと?」
健「そ…坂本くんと一緒にいても…俺ずーっと斗真のコト考えてんの…もう半年以上…いや…きっともっと前からね…俺は斗真のコト,好きになってたんだよ…」
斗真は黙って俺を見てる
斗真が好きなのが坂本くんでも
俺…諦めないよ…
健「坂本くんに会いに来る斗真を…俺,待ってたんだ…ずっと…」
真っすぐに俺を見てくれることが嬉しかった
そうやって…ずっと坂本くんを見つめる瞳を隣で見てたから…
健「俺…その目…好き…」
斗「え?」
健「真っすぐな綺麗な目…ずっと坂本くんを見てた…純粋な目…いつか俺に向かせるから…覚悟しとけ」
ニヤッと笑うと
斗真の顔が赤くなって可愛かった
今は坂本くんが好きでもいーよ
いつか振り向かせてやるから…
俺…こう見えて一途なの…
斗真が一番よくしってるだろ?
もう一度,机に置かれた斗真の手を強く握って笑いかけた