第49章 カカオフィズ
Toma side
潤が目の前で翔くんにキスをして
突然のことにそれを見ていたら
顔を健くんに包まれて
唇が鬱がれた
健「っ………はぁ…ごちそーさんっ」
いきなりされたキスに
躰がかっと熱くなる
何も言葉は出てこなくて…
ただ口元を抑えて火照る顔を隠していると
健くんも軽く頬を赤くして俺を見ていた
その顔が…可愛くて…心臓がうるさい…
手のひらにかかる自分の吐息が熱い…
潤「健くん,とーまの唇はどーでしたっ?」
潤が…また飲んだのか
少し酔った口調で健くんに話しかけている
健「ん?柔らかかったよ♡」
その健くんの言葉に
さっきの感触を思い出して…
思わず指先で唇をなぞっていた
潤「じゃあ…もう一回します?」
翔「ばかっ,しねーよっ」
潤「いいじゃんっ」
翔「潤,お前ちょっと飲みすぎっ」
向かい側で翔くんと潤のやり取りが聞こえるけど…
今はそれを気にしてる余裕はない…
健「俺らももう一回する?」
目の前でニコリと笑いかけられて
斗「し…しませんよっ…」
慌てて顔を背けて
泡の消えたビールを一気に流し込んだ
その冷たさが
躰の火照りを少なくしてくれる気がして
少しでも自分を落ち着けたくて
どんどんビールを飲むと
ふわふわすると共に
ちょっとだけ
破裂しそうな程のドキドキから開放された気がした