第49章 カカオフィズ
Ken side
なんだか無償にキスがしたくなった
でも,当然だけど斗真は拒否する
それがなんだか悔しく…いや…寂しいのかな…
健「なんだよ,いいじゃん減るもんじゃないし」
翔「健くん…そーゆー問題じゃないですよね…」
健「じゃ,どーゆー問題なの?」
大真面目に聞く俺に
斗真も櫻井も困ってて
まぁ…そぉか…
健「ま,いーや…乾杯しよーぜ」
俺の一言でようやく
固まってた空気が動き出した
つまみも運ばれてきて
何から食べようか…と考えていると
今までほとんどしゃべらなかった松本が
いっきにビールのジョッキを空にして
ドン,とテーブルに置いた
翔「おゎ…潤…おまえ一気に飲みすぎっ…強くないのに…」
そんなお母さんみたいな事を言う櫻井の胸倉を掴んだ
翔「は?ちょ,なんだよっ」
潤「いいじゃん,健くん…とーまの唇あげますよっ…俺,こっちもらうんで」
そう言って…いきなり櫻井の唇を塞いだ
翔「んぅっ…ちょっ…ん,何すんだお前っ」
離れた櫻井にはたかれながら
気にせず俺の方を向いて
アイドルスマイルで笑いかけてきた
潤「はいっ…どーぞ…?」
その笑顔に,反射的に俺も笑顔で返した
健「じゃ,遠慮なくっ」
斗「は?」
斗真の頬を両手で挟んで
俺の方を向かせて
抵抗される前に唇を合わせた
斗「ちょ…んっ…っ…」
健「っ………はぁ…ごちそーさんっ」
唇を離して顔を覗いたら
頬を染めて手で口を覆いながら
俺を見る斗真だった
当たり前だけど
坂本くんじゃない
それなのに…
俺は嬉しくて…
坂本くんじゃないのに
ドキドキした