第49章 カカオフィズ
Toma side
「ごゆっくりどうぞ」
お決まりのセリフを残して
テーブルに酒を置いた仲居さんが部屋を出ていった
その間部屋の空気は固まっていて…
健くんは「なに?」と頭の上に疑問を浮かべてる
翔くんが苦笑して空気を動かした
翔「誤解を招く言い方やめてくださいよー…番組で…ノリで,じゃないですか」
わかってる…
バラエティ番組ではよくあること
俺だってドラマでキスくらいしたことあるし…
でもそんな楽しそうに他の人とキスした話なんて聞きたくない
俺って嫉妬とかするんだな…
坂本くんの近くに常に居れる健くんを
羨ましいなと思っていたことはあるけど
ここまで苦しくなる感情じゃなかった…
健「でもキスはキスだろ♡櫻井,またする?」
翔「もうしませんよっ…」
健「あ,彼女いるから?俺となら大丈夫だって♪」
翔「そういう問題じゃなくてっ…」
翔くんは困りながら焦っていて
そんな様子を潤は無言で見ている
俺は…
健くんがキスを迫っているような場面を見ていたくなくて
思わず
斗「翔くん困ってるじゃないですか…もう酔ってるんですか?」
その会話の中に割って入った
健「さっき来たばっかりで酔うわけねーだろ?じゃ…やっぱ斗真する?」
翔くんに向いていた瞳が俺の方を向いて
指先で顎を捉えられて
静まっていたドキドキが一気にまた込み上げてきた