第48章 ストロベリー
Sho side
斗真が見つけた場所は
公園のいわゆる散歩ルートからは
外れた場所で…
でも,一本の大きな桜の木が
見事に咲き誇っていた
シートを広げて座ると
その桜の木が人目から俺達を隠してくれた
翔「うわ…うまそー」
健「斗真の作る料理はいつも旨いんだっ」
健くんは楽しそうに弁当を開けて中身を物色する
斗「…まだ勉強中ですけどね…」
斗真は照れながらも嬉しそうに笑っていた
潤「翔くん,いっぱい作っちゃったからどんどん食べてね」
潤がお茶をコポコポと注ぎながら俺に笑いかけてくる
…ホント…いい嫁をもらったよ…俺は…
健「食べるよ~?」
斗「どーぞどーぞ」
翔「いただきま~す♪」
健くんは唐揚げ
俺はポテトサラダを口に入れた
「「うま~~~」」
2人の声が重なって桜の木の下で響いた
潤「翔くん…それ…斗真が作ったやつ…」
翔「え…?」
斗「健くん,それ…潤の手作りです…」
健「あ…」
微妙な空気が俺たちに流れた…
あー…やっちゃった…
潤「俺の作ったヤツの方が旨いからっ」
斗「はぁ?俺,これは自信作だしっ」
潤「これは俺がレシピ教えたんだろっ」
斗「俺なりにアレンジしてます~~」
あーーー…やべ…始まった…
この二人はいつも…ことあるごとに張り合う
それが可愛いんだけど…
今日は健くんがいるから…
やっぱり面白くなさそうに二人を見ている
翔「健くん…これ…どーぞ?美味しいですよ?」
健「ん…あ,ホントだっ」
2人でお稲荷さんを頬張っていると
潤「それ,買ったやつだからっ」
斗「健くん,こっち食べてください」
有名店のお稲荷さんだった
そりゃ…旨いよね…
嫁を立てるのは…難しい…