第48章 ストロベリー
Jun side
桜並木の下を車で通ると
そよ風に吹かれて数枚花弁が舞っていた
翔「ココも満開だね?」
潤「そうだね…タイミングよかったね」
時折翔くんと視線を絡めて微笑いながら
公園の入口に車が停まった
後ろからはあらぬ声すら聞こえてきそうな時もあったけど…
俺たちも初デートの頃はそんなかんじだったし…
大切な人たちが幸せでいてくれるのは
俺も嬉しいから…聞こえないことにしておいた
健「ココ?静かそうで雰囲気いいねー」
車が停まったことに気づいて
健くんが窓を開けて辺りを見ている
斗「人いないとこあるかな
俺ちょっと見てきますね」
斗真がそう言って車を出ようとすると
健「えー…」
健くんが不満そうな声をあげた
潤「俺行ってくるよ」
翔くんは運転してくれたから
少しゆっくりしていてほしいし…
後ろの斗真を振り返って声をかける
斗「潤はオーラでバレるだろ
偵察にならねーよ」
潤「俺だって毎回バレるわけじゃねーし」
それに今日はメガネとマスクしてるから
いつもよりお忍び力高いし…
そう思って車を出ようとするより早く
斗「俺行くから
すぐ戻りますね」
健くんの頬にキスを軽くして
斗真がドアを開けて出ていった
健くんに文句を言われながら
翔くんとのことをいじられながら
車の中で騒いでいると
斗「奥の方で少しなら大丈夫かも」
斗真が戻ってきて…
せっかくだからお弁当くらいは
桜の下で食べようと
荷物を持って周りに人のいない
桜の木の下にシートを広げた