第48章 ストロベリー
Sho side
健くんを押し返していたら
上から潤が降ってきて…
気づいたらキスしてた…
って…なんだこれっ…
健「あーぁ…お熱いね~~」
健くんはニヤニヤしながら
まだ俺の上に居た
翔「潤っ…ちょっと降りて…」
今度は潤を押し戻そうとしたら
ギュッと躰にしがみついてきた
翔「潤っ…いったん離れてっ…健くんもっ」
身動き取れないまま見上げると
斗真が困った顔をしつつも
笑いながらこっちを見ていた
あー…斗真って優しいんだけど…
ここは怒るところだろ…?
翔「斗真…健くん引き取ってっ」
健「なんだよっ…おまえ先輩に向かってその言い方っ」
健くんまでぎゅっとしがみついてくる
潤「ちょっと,健くんっ…マジでダメですっ」
健「うるさいよオマエ,斗真と仲良くしてろっ」
潤「はぃ!?」
あぁ…完全に健くん拗ねてるし…
潤はムキになるし
斗真は気づいてないし…
なんだこれっ
翔「潤,いいかげん離れろっ」
潤「翔くんは健くんがいいの⁉」
健「当たり前だろっ…俺,お前より可愛いもんっ」
俺の上で喧嘩する二人を
斗真はそのままの笑顔で…
あれ…?
もしかして…怒ってる?
斗「健くん…」
笑顔が消えて
視線をそらしたまま
低い声で健くんを呼んだ
健「あ…はい…」
少し変わった雰囲気に
健くんも気づいて
俺から離れた
斗「…こっち…どうぞ…」
自分の隣をポンポンと叩く
健「うん…」
俺を跨いで健くんは斗真の隣に座った
健「怒ってんの?」
斗真の腕にすり寄りながら
少し期待する瞳で斗真を見上げる健くん
斗「…怒ってませんよ…」
まっすぐ前を見ながらグラスを煽る姿は
たぶん…怒ってるんじゃなくて
少し傷ついてる感じ…?
未だ離れない潤を抱えたまま
俺は二人の様子を分析していた