第48章 ストロベリー
Sho side
何も無い場所で始まった俺たちの生活だったけど
それから少しずつお互いの荷物を運び入れていった
潤はドラマの撮影で忙しいはずなのに
コツコツと荷物を移動させて
あっという間にもと住んでいた家を引き払った
潤「だって,もったいないもん…いつまでも家賃払ってるの…」
堅実な潤らしい…
まぁ…もっともな意見です…
でも…終わんねーんだよっ!!
自分でもよくわからないようなものも出てきて…正直収拾つかない…
潤「手伝おうか…?」
見かねて,何度か打診されたけど…
今,忙しいのも知ってるから
そうそう甘えるわけにもいかない
翔「大丈夫…なんとかする…」
そう言いつつ…後回しになってる自分も居た
だって…せっかく一緒に住み始めたから…
出来る限り新しい家に居たい…
そう思うと…なかなか作業ははかどらなかった
潤『翔くん今どこ?今日オフじゃなかった?』
新居の部屋で本棚にどの本をしまうか…と考えていると
潤から電話が来た
翔「え?オフだよ?家に居るけど??」
潤『すぐ翔くんの家に来てっ,今日雨で撮影中止になったから!!今日終わらせるよ!!』
怒った口調で電話を切られて
慌てて車を走らせた
潤「なんで向こうに居るの?」
家で待っていた潤に
わけもわからず睨まれた
俺なんかしたっけ…
翔「だって…俺の家あっちだもん…」
当然のように言えば
潤の表情が少しだけ緩んで
視線がそらされる
潤「だったらさっさと引っ越し終わらせてよっ…引っ越して来たくないのかと思った…」
言いながらぷいっと
作業を始めようとする
口調は強いけど
鋭い目つきは和らいで
少し耳が赤い…
てっきり怒ってるのかと思ったけど
不安だったのか…
翔「ごめん…今日終わらせるから…手伝ってくれる?」
ぎゅっと抱きしめると
「そのために来たんだし…」と
ブツブツ言いながら
段ボールにモノを詰めはじめた