第48章 ストロベリー
Jun side
潤「んっ…んん…っふ…ぁ…っ」
呼吸が整わないうちに唇を重ねられて
息が続かなくて
開きっぱなしになる口の端から
唾液が溢れていく
それを舐めとるようにしながら
翔くんの唇が離れていった
腕の中で躰の向きを変えて
翔くんの背中に腕を回すと
翔「潤…愛してる」
しっかりと
翔くんも抱き締めてくれた
今度こそちゃんと躰を洗って
あたたまってから浴室を出た
1枚のバスタオルで
お互いの躰を拭きあって
翔くんがいつもの流れで洗面所に手を伸ばして…
翔「ドライヤーもない…」
少し眉を下げて俺を見てきた
潤「そういえばそうだね…
もう冬じゃないし大丈夫だよ」
そう言ってタオルを手に取って
いつも以上に水気を取るように
翔くんの髪の毛を拭くと
同じように俺の髪の毛も拭いてくれた
湯冷めしないように
俺の荷物から二人分引っ張り出した
ちょっと厚手のスウェットを着て
手を繋いでリビングに戻る
潤「グラスないから缶のままでいい?」
キッチンから声をかけると
翔「いいよー」
ソファ前のローテーブルで
買ってきた惣菜やらのツマミを
広げてくれながら返事が返ってきた
そこに冷えたビールを持っていって
並んで腰を降ろす
潤「新しい俺たちの場所に?」
翔「そうだな」
視線を絡めあって
これから二人で歩いていく未来に…
その場所に…
「「かんぱいっ」」
二人の声と缶のぶつかる音が重なった