第48章 ストロベリー
Sho side
潤の腕が首に回って
深く口づけをしたまま
躰をベッドに倒していく
翔「んっ…あ…」
潤の躰をシーツに沈めたつもりが
潤の頭の下には白いマットレスがむき出しのまま
翔「そうか…シーツかけてないや…」
潤「え?」
潤も確かめるようにマットを触って
シーツがない事を確認すると
視線がピタッと重なって
同時に噴き出した
翔「ぶはっ…ははっ…そーだよな…」
潤「届けてもらっただけだもんね…シーツあったかな?」
翔「確か一組は買って…あ…これこれ…」
せっかくのムードは台無しになって
2人であーでもないこーでもない…と言いながらシーツを広げた
翔「ちょ,お前そこちゃんと押さえろっ」
潤「翔くんやり方が違うんだってっ」
翔「俺…ずっとこーしてたよ」
潤「これじゃズレちゃうもん…って…あれ?こーだっけ?」
やっとの想いでシーツをかけ終わって,またベッドに座り込んだ
顔を見合わせて…でもとてもそんな雰囲気に戻らなくて
お互い苦笑いが零れた
翔「風呂…入るか~…」
潤「あ…バスタオルは?」
翔「あ……あ!一個新しいのがあったはず!!貰い物だけど…」
自分の部屋に乱雑に置かれた物の中から新品のバスタオルの箱を取り出した
翔「これね,夜会でタオルフェチのゲストの企画があって,余ったの一個もらったんだよ…めっちゃ肌触りいいよ…」
潤「ホントだ…ふわっふわ…」
一緒に置いてあった小さなタオルは1人1枚ずつ…
バスタオルは2人で1枚
まだ何も無い状態で
勢いで来ちゃったから
スマートな始まりにはならなかったけど
こんなのも…きっと良い想い出になるんだと思う…
これが…俺達の大きな一歩…
翔「入ろうか…?」
潤「ん…一緒に入ろ…」
手を繋いで真新しい浴室に向かう
目にする何もかもが新鮮で
ワクワクする
ここを,これから少しずつ俺たちのモノにしていくんだと思うと
すべてが愛おしく思えた