第47章 チューリップ
Jun side
静かな…
2人きりの教会の中で誓われた愛…
手のひらに乗せられた小さな箱の中には
輝く2つの指輪が入っていた
翔「もう二度と…離さないよ…」
何も言えずに
ただ涙を零し続けている俺の頬が
翔くんの手に優しく包まれて
静かに唇が重なった
潤「俺も…っ…翔くんと歩いていきたい…」
しっかりと滲む視界に翔くんを映して…
潤「何があっても…離れない…
支えあって…翔くんの隣にいることを…誓います…っ」
止まることのない涙を
翔くんの指先が優しく拭ってくれた
翔「潤…愛してる…」
そう言いながら箱の中の指輪が片方
俺の左手の薬指にはめられて…
俺ももう一つの指輪を手に取って
潤「愛してる…翔くん…」
震える手で翔くんの薬指にゆっくりとはめた
視線が絡んで…
もう一度唇が重なる…
その直前に見えた翔くんの瞳も
潤んでいる気がした
潤「ずるいよ…こんなの…」
少しの間光の中で抱き締めあって…
小さく呟くと
柔らかく髪を撫でられた
潤「ね…なんで…裏側に赤いラインなの?」
さっき翔くんの指に指輪をはめる時に
チラッと見えた指輪の裏側…
そこには赤い細いラインが1本はいっていた
聞くと
指先を絡めるように手が触れて
翔「赤い糸…見えないけど二人は赤い糸で結ばれていますって意味なんだって」
その翔くんの声が耳にはいると
また涙が溢れ出た