第47章 チューリップ
Sho side
キラキラと朝の光が差し込む
古びた教会の中で
潤と2人きり
手を取って歩いた
輝く光が集まる
温かい場所に立って
潤をそっと抱きしめてから
向かい合い,見つめ合う
翔「潤…」
絡む視線の先にある瞳は
浮かぶ滴に朝日が反射して
綺麗な光を放って
俺を照らした
潤「はい…」
小さく答えた唇は少し震えている
翔「今まで沢山泣かせてごめんね…」
俺も緊張して少し声が震えていた
翔「でも…俺は潤の笑顔が好きで…
俺に笑いかけてくれる笑顔を
もっと近くで見ていたい
すべてをかけて守りたい…」
今までの想いもこれからの事も
ちゃんと伝わるように…と願いながら
俺を見つめる潤の左手をそっと取った
翔「これからもずっと…
一緒に…歩いて行きたい…
だから,俺と一緒にいてください」
瞳を見つめて伝えてから
右手で
ポケットに忍ばせた
白い小さな箱を取り出して
そっと潤の手に乗せた
翔「ここで…誓うよ…」
神様に…なんて綺麗なことは言えない
俺達を支えてくれた人たちはたくさん居るけど
その人たちのために言うわけでもない
2人の未来のために
俺と…潤だけのために…
2人だけで
誓いたい
箱を潤の手の上で静かに開いて
差し出した
翔「もう二度と…離さないよ…」
白い箱を持つ手に添えた
反対の手で
涙に濡れる頬を包みこんで
そっと唇を重ねた