第47章 チューリップ
Sho side
不安そうに見上げてくる潤が
俺の腕をきゅっと握る
だから…それにも負けないくらいの力で抱きしめた
翔「そりゃね…今までよりもっと見えてくることもあるかもしれない…でも…潤だけじゃなくて…俺もだよ?…掃除できないし…飯作れないし…甘えるつもりはないけど…家事の負担は潤の方が増えるかもしれない…」
潤「それはいいのっ…俺が好きでやってるんだから…」
胸に埋めていた顔を上げて
俺を見つめる
翔「うん,ありがと…でもさ?そんな小さなことも日常になるから…そしたら…不満も出てくるかもしれないだろ…?」
それは…わかる…と潤が頷く
翔「だからさ…その都度…喧嘩しようよ…言いたいこと言って…不満も不安も…一緒に解決していこう?…今までと…同じように…」
今までだって何度も喧嘩してきた
すれ違って口を利かなくなったり
心ない事を言い合って傷つけてしまったり…
それを…その都度乗り越えてきた
そうやって育ててきた
見つけ出した
俺達の想いとカタチが
ここにある…
翔「俺達には…今までの12年間があるから…だから大丈夫だと思わない??」
ジッと俺を見つめていた瞳から
綺麗な涙が流れた
俯いて,ぽたぽたと涙を溢す
翔「じゅん…?」
髪を撫でると
小さく何度も頷いた
潤「うん…うん……俺…翔くんが片づけなかったら…怒るよ?」
涙で濡れた顔がキラキラ笑った
その涙を唇で丁寧に吸い取っていく
翔「…頑張るけど…お手柔らかに…」
視線がしっかりと絡んで
声を出して笑い合った