第6章 アパタイト
Kazunari side
この距離で寝たことがないわけじゃないけど
2人きりは初めてで
まして仕事でもないから
さすがに少し緊張する
色々考え始めたら眠れなくなってしまった…
大野さんの方を向いてみると
俺に背を向けて静かに横になっている
もう寝てるのかな…?
気になって
ちょっと長めの襟足を
指ですくって弄んだ
最初は控えめに
でも反応がなかったから
ついつい悪戯心が顔をだし
うなじをくすぐるように指を這わせ
息をふぅっと吹きかけた
一瞬,大野さんの肩が
ピクっと動いた気がして
それが嬉しくて
ますます調子にのっていった
丸くなってる背中に手をおろし
肩甲骨を撫でると
今度ははっきり肩がすくむ
…起きてる…
ふふっ…とにやけるのをこらえながら
少し躰を大野さんに近づけた
どこまでやったらこっち向くかな…
背骨に沿ってツーッと指を降ろす
丸かった背中が一瞬ピンと伸びた
触らないとまた丸まっていく背中を
何度も撫でると嫌がるように身じろぐ
それでもなかなか振り向かない
仕方ない…最後の手段…
耳にふぅっと息をかけると
ビクンと一際大きく躰が跳ねて
大野さんがチラッとこっちに目をやった
勝ったっ!
智「オマエ…なんもしないって言っただろ?」
和「ふふっやっとこっち向いてくれた」
智「バカ,寝ろ」
和「えー?だって大野さんがこんな近くに居るんだよ?ムラムラしちゃうっ」
冗談を言いながらその背中に抱きついた
智「っ…もー…邪魔だって…」
そう言いながらもそんなに抵抗しないから
目の前にあった耳をペロンと舐めてみた