第46章 ヒヤシンス
Jun side
画面に[小栗旬]と表示されたままの携帯を握り締めてると
斗「俺押しちゃうよ?」
通話ボタンに手をかけられて
潤「ちょっ,待って待って」
慌てて携帯を斗真から遠ざけた
…斗真の携帯だけど…
改めて画面を見て
深く息を吐き出すと発信ボタンに指を置いた
斗真の優しさを無駄にするわけにいかないし
なにより俺が…全部知りたいから
こんな何もわからないままなんて嫌だ…
翔くんが今何を考えているのか…知りたい
数コールの呼出音の後に
旬『はい』
旬の声が聞こえた
潤「あ…俺」
旬『え?あ…斗真?あれ?』
旬の戸惑った声が聞こえて
潤「あ,潤…です
ちょっと斗真の携帯借りてて」
慌てて名乗ると
旬『ああ,どうした?』
いつも通りの旬で…
潤「えっと…あのさ…翔くんに…」
そこまで言って言葉が詰まった
もっと考えてからかけるんだった…
何を言えばいい…?
翔くんと何かあった…?
潤「や…あの,今出てこれる?」
いろいろ言葉を浮かべたけど
そもそも電話でする話なのか…と思って質問を変えた
でも
旬『あー悪い,今ちょっと…』
電話なら大丈夫なんだけど…と言われて
潤「あ…そっか…突然ごめんな…」
また言葉に詰まっていると
旬『櫻井くんが…どうしたの?』
少し低くなったような気がする斗真の声が耳元に響いた