第46章 ヒヤシンス
Sho side
雅「はい,どうぞどうぞ~」
松岡くんの車で連行されたのは
雅紀の家…
正確には雅紀と松岡くんの暮らす家
翔「お邪魔…します…」
部屋に入るといい匂いがして
ホントに美味しいものが用意されていた
翔「これ…松岡くんが…?」
雅「そうだよ♡松にぃに協力してもらったの,絶対翔ちゃんを連れてきたかったから」
キッチンに立つ松岡くんが俺たちに優しい瞳を向けていた
いつもメンチ切ってるし,俺様な感じだけど
雅紀のこと,ホントに大事にしてるんだな…
俺は潤にここまでしてあげられない…
…ってか料理できないし…
雅「しょーちゃん、いいから座って座って」
昌「ビールでいいか?」
翔「あ…はい…ありがとうございます」
雅「はい,かんぱーいっ」
雅紀が無理矢理俺に缶を当てて
ビールの缶を煽った
俺もそれに続いて
ビールを喉に流し込んだ
雅「翔ちゃん,ちゃんと食べてる??松潤の手料理食べてないから,偏ってるんじゃない??」
雅紀が料理を勧めながら俺を覗き込んできた
雅「この前…心配してたよ?ちゃんとしたもの食べてるかな…って」
俺の様子を伺う雅紀とは視線を絡めることもできなかった
潤からの〔会いたい〕という内容だったメールは
最近は俺を気遣うものに変わっていた
俺も
ちゃんと寝てるのか…
朝は起きれてるか…
体調悪くないか…
心配でたまらない
でも,聞くこともできない
昌「俺,部屋…行ってるから」
何も話さない俺を見て
松岡くんが声をかけてきた
翔「あ…大丈夫です…居てください」
ここに来た時点で
雅紀には話をしないと…って覚悟をしてたから
もう自分一人では整理することができなくて
誰かに聞いてもらいたい気持ちも
どこかにあったのかもしれない…