第46章 ヒヤシンス
Jun side
翔くんと話ができないまま…
目がまともに合うことすらないまま…
もう2週間近く経った
その間…仕事関係の電話は出るけど
メンバーとか近しい人には
事情は話せていないけどメールにして貰っていた
通話中に翔くんからの電話が来たら困るから…
そしていつもはこんなに頻繁に会わないのに
斗真からも何度か連絡が来ていた
[気分転換しようぜ]
[美味いもの食おう?]
心配してくれてるのはわかるけど…
それに応じたことは一度もなかった
翔くんから連絡があったときに
車を運転できた方が便利だろうから…
仕事が終わったら家に帰って
携帯を握り締めながら過ごした
夜は家に残されている翔くんの服を着て眠る
俺の不安を感じ取っていた
翔くんの思いに気づけなくて…
翔くんのことを一番わかっているのは俺だと思っていたのに
そんなことすら気づけなかったことに後悔する…
でも多分
それを言葉にしてしまったら
何かが変わってしまうと…
翔くんはそう思っていたんだろうと今なら思える
家に帰ってきて
今日も応答されない電話を切って
潤「翔くん……」
小さく声が漏れたとき
携帯が震えた
電話してきた相手は斗真で…
ここ最近事情をわかってくれてる斗真は
常にメールだったから
電話なことが気になって
潤「…はい」
通話をタップして携帯を耳に当てた