第46章 ヒヤシンス
Sho side
家に帰らなくなってから
あっという間に10日以上たっていた
その間に…レギュラー番組の撮影は当然何度もあって…
結局…俺は潤から逃げ回っていた
今日の収録終わりに
廊下で声を掛けられそうになったから
慌てて知らないスタッフに
知り合いかのように話かけたりした…
潤は諦めてくれたけど
一部始終を見ていた雅紀は
不満そうに俺を見ていた
10日間…
潤は欠かさずメールや電話をよこしてくる
〔ちゃんと話がしたいから…会ってください〕
いくつもの…そんな内容のメールに
一度も俺は返信をしていない
携帯を握りしめたまま
ホテルのソファに沈み込んで動けないでいた
いつまでもここに居るわけにいかない…
マネージャーにも
もう限界…と泣きつかれた
いいかげん腹くくらないといけないんだ…
でも…
まだ…涙が零れる…
自分で潤の家を飛び出しておいて
まだ整理がつかなかった
潤の居ないこれからなんて
想像できない…
でも…
…結局…俺…どーしたいんだろ…
はぁー…と深いため息をついた時
手に持った携帯が振動した
ディスプレイは〔松本潤〕
またいつものように
その文字を見つめたまま
振動が止まるのを待った