第6章 アパタイト
Satoshi side
空を見つめて
ぼーっとしながら隣で呑んでるニノ
家に来たい,とか
ゆっくり呑みたい,とか
珍しいコト言ってたし
なんかあったのかな,と思いつつ
横目で様子を見ながら
手に持ったビールを口に運んでいると
ニノの手から缶が落ちて
履いてるズボンと床に黄金色の液体が広がる
その光景を黙って見てるニノ
慌ててタオルを持って来て
ふと見上げたニノの顔が少し赤くて
智「ニノ…おまえ酔ってんの?」
そう声をかけると益々頬を染めて
和「あ…や,ごめん!」
慌てて俺からタオルを取って
床を拭き始める
クローゼットからスウェットを持って来て
智「下,履き替えな」
それを渡すと
和「ごめん…ありがと」
その場で履き替えようとするから
何故か俺が慌てて
智「ついでにシャワー浴びて来い」
って気付いたら浴室に押し込んでた
和「シャワーありがとう」
ズボンどうしよ…乾かないよね…って
浴室から出てきたニノが気にしてるから
智「もういいよ,泊まっていきなよ」
ってズボンをニノの手から取って
洗濯機に突っ込んだ
和「…いいの?」
何故か不安そうに見つめてくるから
智「だって酔ってんじゃん
危なっかしくて帰せねーよ」
笑いかけてやれば
和「ありがと」
そう言ったニノの顔が
いつも見てるはずの顔が
何故か可愛く見えた