第6章 アパタイト
Kazunari side
何がしたいわけでもないけど
なんだか大野さんの特別になってみたくて家まで押し掛けた
言葉は拒否でも
なんだかんだ許してくれたり
優しかったり
そんなトコが好きだな,って思う
ジュニアの頃からなんだか
カッコイイ存在ではあったけど
同じグループになってから
このヒトすげーな…って思うことが多い
歌やダンスは格別
演技も…スゴイ
世間では演技は俺
なんて言われることもあるけど
実際は大野さんのがスゴイと思う
だってなにやっても自然だから
敵わないなって思う
それに,絶対リーダーなんてやらないタイプなのに
リーダーに決まった時から俺達の様子をずっと見てる
俺がリーダだ,なんて一言も言わないけど
さりげなく皆と一緒に笑いながら
俺達を見守って…
何かあると必ず声をかける
さりげなさ過ぎて気づかないくらいのコト
でもそれができる大野智はやっぱすごいんだなと思う
俺は絶対このヒトに着いて行くって決めた
大野さんが笑ってくれてると安心する
傍に居ると楽しいし…
…あれ?…
やっぱ好きなんだ
ズルっとビールの缶が滑り落ちた
手から膝の上に落ちて
自分のズボンを濡らしてる
智「は?何してんの?」
大野さんが慌ててタオルを取りに行って
動けずにいる俺を拭いてくれてる
智「ニノ…おまえ酔ってんの?」
見上げられてドキっとした